糖尿病の診断は、採血し血糖値の高低で判断されるが、検査は空腹時に
糖尿病と診断される実際の血糖値は①空腹時血糖値80~110mg/dℓ未満②75gのブドウ糖液を飲用し、2時間後の数値で判断する、75g糖負荷試験(食後2時間血糖値)で110~140mg/dℓ未満③随時血糖値で200mg/dℓ未満の、各数値を超える高値が継続的に示されると、糖尿病と診断される。ヘモグロビンA1cの値だと、2~3か月の平均的数値で、基準値は4.3~5.8%とされ、6.5%以上だと糖尿病と診断される。
空腹時血糖値が110~126mg/dℓ未満、75g糖負荷試験(食後2時間血糖値)で140~200mg/dℓ未満、ヘモグロビンA1cが5.6~6.1%だと「境界型」(所謂「糖尿病予備軍」)と診断される。「境界型」の「患者数」は約880万人。女性はほぽ全年齢層で増加していたが、男性は働き盛りの30、40代で減少。不景気による生活状況の変化を原因として指摘する見方もある。
「境界型」と診断された人で、何かしらの治療を受けている人は半数にも満たず、自覚症状に乏しい「境界型」」の人は、危険な状態を放置したままにしている状況が明るみに出ている。実はこの「境界型」の段階からすでに、大血管障害は発症し始めている事が、世界各地の疫学的研究で明らかになって来ている。「境界型」、「予備軍」だからと言って適切な治療を行わないと、行く行くは大変な事になるのだ。すぐに受診し、食事療法を始めとする治療を開始する事だ。
2003年6月の統計で、数字は少々古いが、同月の厚生労働省の発表によると、糖尿病に罹患していると強く疑われる人が、約740万人、「境界型」(「予備軍」)も含めて、糖尿病患者数は前回調査時より約250万人増加の約1620万人である事が明らかになった。背景には、食生活の欧米化が挙げられるとされる。年齢別では、男女とも60歳未満でやや減少していたが、70歳以上の男性はでは人口の21.3%が糖尿病患者であり、前回調査時から10ポイントも急増。実に5人に1人が、糖尿病に罹患しているという状況が浮き彫りにされている。